なぜ読書感想文を書くの?

小学校に入学して初めての夏休み。

入学して以来、親も子も初めてのことばかりでくたびれた。

親だって、毎日息子を機嫌よくスタートさせてやりたくて、自らに笑顔を課して元気いっぱいの声で息子を起こします。なんとか目を覚ましてくれたら次は朝食、歯磨き、着替え、忘れ物がないかもう一度確認(順不同)と、幼稚園の時より1時間以上早い登校時間に間に合うようにと、テンションMAXで声かけをします。その甲斐あってか、息子はだいたいにおいて機嫌よく諸々の支度を済ませてから、背中より大きなランドセルを背負って、毎日頑張って通いました。ちょっとここらで ひと休みしたいと思い始めたころ、ようやく待ちに待った夏休み〜。

思い返すと、幼稚園気分も抜けきらないまま 毎日のひらがな練習プリントに悪戦苦闘し、 おはじきで数の概念を教わり、 親はそのおはじきを見るたびによくもまあこんな小さいものに一つひとつ我が子の名前を書いたものだと自分で自分を褒めてやりたい気持ちになり、お友達との小さなぶつかり合いで親の方が気を揉んでは、翌日も無邪気に学校に向かう我が子に何かしらを教えられ、それはもう毎日が落ち着かない、全身がトゲトゲの日々でした。

そこへやってきた夏休み。うだるような暑さの中、学期末個人面談のために自転車をこぎこぎ学校へ赴き、少しばかり先生とお話をし、息子が育てたアサガオの鉢植えとともに帰宅し、汗びっしょりになったのでまずはシャワーを浴びて、ようやくひと息つきながらアイスクリーム片手にランドセルの中を検索してみると・・・・・・目に飛び込んできたのは 「夏休みの宿題一覧表」。

なんじゃこりゃ~~~っっっ!!

ドキドキしながらも、とりあえず呼吸を整えて、プリントを読んでみます。

アサガオの観察・・・・・・はいはい、これはたった今持ち帰りましたから、とりあえず毎日水やりをします。

 ひらがな練習プリント・・・・・・はいはい、いつもやってるあれです。

 算数プリント・・・・・・はいはい、 小学1年生の算数なんて絵ばっかりなので難しくはないですね(親が手伝えば、ですね)。

ただこの、「読書感想文」とは……。1年生で、800字ぃ!?(全国青少年読書感想文コンクールの場合)  「書きたい人だけ」と注釈がある が? 

うーん、これは書くべきか書かざるべきか。そういえば、私が小学生だったときもあったなぁ。計算ドリルとか漢字練習帳とか、そういった類のものは、正直に言うと答えを見て書き写してしまえばあっという間に終わる。けど、この読書感想文だけはごまかしがきかない。なんか面倒くさくて夏休みが終わる頃になってようやく(渋々)取りかかるからますます時間がない。なんといっても実際に本を読まなければ感想の書きようがないものだから、絶体絶命です。

息子にはそんな私より少しはまともな夏休みを過ごさせてやりたい。けど、ですよ。息子はほんの少し前まで幼稚園児だったんですよ。ようやくひらがなとカタカナを正しく書けるようになったばかりなんですよね。それが、800字って汗。

しかし、うーん……。

ここはひとつ頑張ってみましょうよ!(神の声)

800字って……。

我が子の力を信じて、書いてみましょうよ!(神の声、再び)

もう何年も昔のことですが、私はあのとき聞こえた神の声を信じてよかったと思います。なぜかって? それは、他ならぬ我が子のため、です。我が子の人間力を育むためです。

〜人間力だなんて、読書感想文になんの関係があるの?〜

とお思いのあなた!

騙されたと思って、やってみましょうよ! 

感想文を書くためには、本を読まなければならない→本を読むためには、読む本を選ばなければならない→読む本を選ぶためには読みたい本が何かを考えなければならない→読みたい本が何かを考えるためには、自分は一体何を思っているのかを自分に問わなければならない→自分に問うためには、自分自身を振り返って客観的に自分を見つめなければならない

これが、人間力を育む第一歩だと考えるのです(あくまでも個人の感想です)。

大人だってそうでしょう。毎日その日その日が楽しければそれでいい、ってチャランポランに生きてるわけではなく、時には立ち止まって自分を見つめ直すことがあると思います。そうすると、今まで気付かなかった自分に出会えたり、これまでの態度を反省したり、新しいことに挑戦してみたくなったり、と成長するでしょう。それは何も大人だけの特権じゃなくて、子どもだってできるんです。

だから、書きましょう!

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