前回は、かつて私がやってきた「真似しちゃダメなパターン」をご紹介しました。
えっ、こんなことしてたの? とお思いの方も、ああこれこれ! と懐かしくお感じになった方も、笑ってお許しください。もう何十年も昔のことですから。
今回は、読書感想文を書く上でいちばん大事な、そして最初の難関である、
「本の選び方」
についてご説明いたします。
何を書くにしても、まず自分に合った本を選ばなくてはなりません。
これがなかなか、本当に難しい。方法はいくつかありますが、どの方法がいいとは言い切れません。
順番にご紹介します。
選び方 その1【課題図書から選ぶ】
だいたいの読書感想文コンクールには、各学年ごとに「課題図書」というのが決まっています。課題図書というのは、主催者や本の専門家の皆様が、多くの感動や共感を得られる本あるいは深く考える機会を与えてくれる本を選び出し、各学年に応じて決定するようです。さまざまな分野から数冊が選定されますので、自分の興味があるお話だったり、あるいは全く面白味を感じないお話だったりします。もし、自分はこのお話には興味ないなぁと思える本だったとしても、見識を広めるという意味では一読する価値はあると思います。だいたい毎年、物語系、ドキュメンタリー系、偉人系、など異なる分野の図書がラインナップされていますので、その中から自分が読める本を1冊選んでみましょう。
夏休み用の図書ですから、1学期がスタートする頃にはその年度の課題図書が決まります。興味がある方は、早めに書店や図書館で見つけて読んでみることをお勧めします。そして、感想文を書こうとする本ですから、おそらく何度も読み返す必要があります(それについては後ほど述べます)。なので、書店で買うか、もしくは図書館で借りることになるわけですが、いきなり購入してみたものの最後まで読めない(興味が湧かなくなった、お話が長すぎるなどの理由で断念せざるを得ない)本だったらもったいないので、できれば最初は図書館で借りるのがいいと思います。ということは、早めに予約をして(可能であれば、ですが)おくのがよろしいでしょう。毎年のように課題図書はものすごい人気で、予約してから手元に届くまで数週間、下手をすると夏休みが終わった後に順番が回ってきたりもしますので、早め早めの対策が必要です。
この「ものすごい人気」について言うと、おそらくどこの図書館管内でも、まずはとりあえず読んでみようということで課題図書のタイトルが発表され次第、あるいは地元図書館に入荷され次第予約する熱心な読書家が多数いらっしゃいますので、のんびりしていると本当に何十人待ちということになってしまいます。ですから、1学期が始まったら小まめにコンクール主催団体のホームページをチェックすることをお勧めします。また、運良く早い時期に入手でき、それでも残念ながら興味が湧かなかった図書は、早めに切り上げて次の方に回してあげるのがいいと思います。
選び方 その2【書店や図書館に並んでいる本から自由に選ぶ】
書店や図書館で探してみる方法です。書店に行けば、読書感想文シーズンではなくても「これオススメ」という本が平積みにされていたり、目を引くポップと共にディスプレイされていたり、とにかく本屋さんって楽しいところです。その時その時の新刊や話題の本がもうこれでもかってくらいに並んでいます。表紙を眺めているだけでも楽しい!
その中から、自分の心にピンときたものを手にとって少しだけ読んでみます(立ち読みしてゴメンナサイ)。私の読み方は、やはり最初のページからです。途中からパラパラと読み始めるとあらすじがよく分かりませんし、もしかしてお話が盛り上がっている場面だったりすると、その本が気に入り、落ち着いて初めから読もうと思える本だった場合に面白味が半減してしまうからです。
最初のページから2〜3枚読めば、ああこれは自分の感性に馴染む本だとか、これはちょっとタイプが違うかもとか、感じるものがあると思います。自分に合うと思える本をいくつか見つけることができたらしめたもの。時間をかけてしっかり読むためにも、さっそくその本を購入…したいところですが、コレと思って買ってはみたものの途中でやっぱりギブアップしてしまったらもったいないし、読みたい本が何冊もあって決めきれないからとりあえず全部買って帰ったりなんてしたのではかなりの出費になりますから、本屋で見つけた本の場合は、やはり図書館で同じ本を探して借りるのが良いと思います(あまり新しい本だと、図書館の蔵書が追いついてないかも知れませんが)。そして、あなたが本屋で見つけた本を、他の誰かも本屋で見て気に入ってるかも知れないので、やはり早めに図書館で予約しておいた方がいいでしょう。
図書館でも、夏休み前にはおすすめの本コーナーができていると思います。課題図書はたぶん常時貸出中。でも、司書さんオススメの本や特定のテーマに沿った本など、工夫を凝らして並べてあるはずです。その中から、自分が読みたい本、読めそうな本を探してみましょう。そのときも最初のページから少し読んでみるのですが、先ほどご紹介した本屋さんの場合と違って、立ち読みOKなところですから、2〜3枚と言わず、椅子に腰掛けてゆっくり読んでみてください。と言うのも、夢中になれる本って、案外初めのうちはパッとしない(本当にスミマセン)こともあるからです。本屋では何十分も立ち読みするわけにはいきませんが、図書館でしたら大丈夫。物語が展開して次のシーンにさしかかるくらいまで読んでみましょう。そして続きも読みたい! と思ったら図書カードを用意して貸出しカウンターまで行きましょう。
本の選び方、次号に続きます。。。